「投資信託の買い替え」はするべきか:買い替えると税金分の複利効果が薄れます

資産運用

投資初心者に聞かれる質問のひとつに、

「今まで積み立てていた投資信託(ファンド)と同じようなインデックス投資信託で信託報酬の安い投資信託が出たので買い替えるべきか」

があります。

答えは、

「よほど信託報酬が大きく変わらない限りには買い替える必要はない」

「新規に買うな 信託報酬が低い方を選び複数の投資信託を保持するのもあり」

理由は税金分の複利効果が薄れるからです

投資信託を買い替えたくなる時

投資信託はどんどん新しい商品が出ます

最近は投資する人も増えてきたので、信託会社も競って信託報酬の安い商品を出しているようにも思います

そこで、今自分が持っている投資信託より信託報酬が安い商品が出た時、今持ってる商品を買い替えるか悩んでしまいますね

最近の例でいえば21年6月にSBI-SBI・V・全米株式インデックス・ファンドが発売されたときでしょうか

それまで、全米株式に連動した投資信託は楽天・全米株式インデックス・ファンド一択でした

楽天 ・全米株式インデックス・ファンド の 信託報酬 は0.162%程度

かたやSBI-SBI・V・全米株式インデックス・ファンドは0.0938%

その差、0.0682% 100万円運用して年間682円の差

この差をどう考えるかですね。

他にも、19年にSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(信託報酬0.0938%)が発売されたとき

それまでは、三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.0968)これが一番人気でしたね

わずかですが、 SBI・V・S&P500イン デックス・ファンド の方が信託報酬が安くなってます

私の結論

私は、 楽天・全米株式インデックス・ファンド三菱 UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

両方持っています。後で発売になった信託報酬が安い商品に買い替えていません

なぜ、よく似たファンドを二つ持っているかは、後程説明するとして

楽天・全米株式インデックス・ファンド は積み立てを停止

三菱 UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) は積み立ても継続しています

買い替えていない理由

①精神的ストレス

投資信託は買い替える場合、売却手続き ⇒ 約定 ⇒ 口座振り込み ⇒ 購入手続き ⇒ 約定 これに結構時間がかかります。稼働日で約5日

この間、市場は変動します

もし、下落基調ならいいですが、上がったときは損します

これ結構ストレスです

信託報酬のわずかな差は吹っ飛びます

②税金(1)

楽天・全米株式インデックス・ファンド を持っている人が 信託報酬が0.0682%安い SBI-SBI・V・ 全米株式インデックス・ファンド に買い替えるかを例に考えましょう

100万円運用したとして、信託報酬の差は年間682円

100万円の内、含み益が仮に10%あったとします。

この場合、買い替えようと売却したとき、売却益10万円に約2万円の税金が引かれます

もし、継続していればこの税金分にも複利が付きます

米国株式の平均成長率を7%とすれば、2万円×7%=1400円/年

これがさらに複利で増えていきます

つまり持ち続けた方が資産を増やしやすいことになります

③税金2

実は、これ以外にもニッセイ外国株式インデックスファンド(信託報酬0.1023%)も継続して持っています」(積み立てはやめています)

これは、米国以外の分散の意味もありますが、出口戦略を考えたうえで

「よく似たインデックスファンドを複数持つ」

という考え方から来ています

リタイアしたのち、これらの投資信託(ファンド)を取り崩しながら生活をすることを目的に資産運用をしています

取り崩す=売却する順番を決める場合

売却益の少ないファンドから取り崩す

そのために

運用期間が異なる複数のよく似たインデックスファンドを持つ

ようにしています

その考え方を説明します

売却益が多い場合、その分税金も多くなります

②でも書きましたが、売却しなければさらに複利が付くはずの税金は少ないくしたいですね

仮にAとBの2種類のファンドを持っていた場合

Aファンドは運用期間が短く、含み益は10%

Bファンドは長期の運用で含み益が50%

としましょう

リタイア後の、生活費として10万円必要な場合、

Aファンドの場合

含み益が10%なので、約10万2千円売却が必要です

Bファンドの場合

含み益が50%ならば約11万1千万円の売却が必要になります

50%の含み益のファンドを解約すると、この9千円分の複利効果を失うことになります

つまり運用期間が異なるファンドいくつか持ち、含み益が少ない=税金が少ないファンドから売却することが有利と考えて、今のような方法をとっています

この考えに行きつく前は、「どうせ最後は売却して税金払うからおんなじ」と考えていました

それで買い替えを行ったこともあります

同じではありません。失った税金分の複利効果を失うこと覚えておきましょう

今後の方針

私の場合、当面 三菱 UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) の積み立てを継続し、ある程度金額が大きくなった時点で、 SBI-SBI・V・ 全米株式インデックス・ファンド に積み立てを変更する予定です

その時、 三菱 UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式( &P500)を買い替える予定はありません

まとめ

信託報酬が安いよく似たインデックス投信が発売されたとき、買い替えるべきか

私の考え方をお伝えしました

結論、

それほど差が大きくなければ、複数のファンドを持つべき

つまり、

あえて買い替える必要なし

ということになります

皆さんの資産形成の参考になれば嬉しいです

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