今まで生産性を向上させるための工程改善する方法をイロイロ書いてきました
生産性を高めるために工程を改善することは、人件費の削減だけでなく、品質の良化、在庫の削減等工場全体の能力を高める効果があります
しかしながら、生産性を追いかける前に、改善するべきことがあります
出荷計画通りにお客様に商品を届けることです
生産活動の目的
工場の役割は
「材料(=そのままではお客様にとって価値のがない)を、価値のある商品の形に変えること」
と考えています
その形を変えること=価値に対して、お客様から代金をいただき、経営していることになります
ただ、それもお客様に買っていただけるように、お届けすることが前提になります
つまり、前提としてお客様に、
「必要な時に必要数量(多すぎても少なすぎてもダメ)をお届けする」
ことが重要になります
工場の優先すべきKPI
工場の能力を測るためにいろんなKPIがあり、経営者の方針によって、重要なKPIを各社で設定していると思います
そのなかで私が優先するべきと考えるのは、商品、コンテナ、トラック毎の出荷スケジュールの達成度です
お客様から頂いた注文に対し、「お約束した納期通りに出荷することができたか」を測ることです
月次の売り上げ達成度ではありません
よくある間違い1
一番間違いやすいのが、「月次販売額」の達成
日本企業の場合は月次で管理する場合が多く、月の売り上げ金額を達成することを重要視する傾向があります
そのために、ひどい場合はお客様が必要としていないもの、作り手側の都合で出荷したりする場合さえあります
「A商品が少し生産できなかったけど、B商品在庫があるのでB商品出荷しときます」みたいな・・・・
経営数字を見れば、「販売達成!!!ヨシヨシ」ってやつですね
これって、どうでしょう・・・・
一時的にいいかもしれないですが、長期ではお客様との信頼を失いかねません
総販売を見るのではなく、商品毎の数量、それも月次ではなく出荷計画と実績の差を確認することは必須ですね
よくある間違い2
倉庫に出荷しなくてもいい商品の在庫はあるのに、出荷に必要な商品の在庫がなく出荷できていない場合です
A商品を作りすぎたため、A商品と共通でB商品に使う部品がなくなり、Bに商品が足りなくなり出荷できなくなる
典型的な「作りすぎのムダ」の一つですね
生産計画の精度の問題の場合もあります
月次の生産台数、金額を重要視するとやってしまう間違いですね
出荷計画に合わせて必要数量を正しくつくる仕組みが必要です
よくある間違い3
倉庫に在庫があるのに、出荷したい商品の在庫がなく、出荷ができない場合の事例の二つ目です
商品の生産を切り替えると、時間のロスが出るので、同じ商品を作り続ける
今月のA商品の生産/出荷予定は200台 10日に100台 25日に200台、合計300台の出荷予定
B商品は15日に50台出荷予定
今月の10日までにA商品を100台作って、次の出荷商品のB商品を生産するべきにもかかわらず、切り替えをしたくないからA商品を継続して今月分300台全部生産
おかげで、15日に出荷するB商品を生産できず遅れる
これも、月次の生産しか意識していないとやってしまいます
出荷スケジュールを守るために必要なこと
出荷スケジュールの守るための大前提として、
工場の各部門すべてが各商品、コンテナ、トラック毎の出荷スケジュールを達成する意識を強く持つこと
本来は当たり前ことですが、この気持ちが弱く個別商品の出荷納期より、月次の会社全体の販売金額を重要視する経営者は多いです
先に述べたように、
月次の生産金額や販売金額の達成だけを意識していたら商品毎の出荷納期を守り生産するのは絶対無理です
各商品、コンテナ、トラック毎の出荷スケジュールを達成するためには、各部門、販売、ロジ、生産管理、生産、調達、品質、生産技術、人事すべての関係部門の連携が必須です
常に出荷スケジュールを守るために、各部門が連携する仕組み、体質を構築しましょう
参考記事です
まとめ
いかがでしょうか
工場として効率的に生産する前に、上記の間違い事例(他にもあると思います)の様なことをして、出荷スケジュールを守れていないケースありませんか
経営幹部も、ツイツイ販売金額、生産金額だけ見て今月の達成度を測っている場合がありますが、それは正しくありません
いくら、生産性を上げる活動をしても、「お客様に納期通りに届ける」、工場としての一番の基本を常に意識するのが前提です
この、工場としての大前提を忘れないようにしたいものです
当然、品質、コスト(生産性)も重要です
ただ、出荷スケジュールを守ることを意識して活動すると、品質、生産性もついてくると思います
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