改善活動を進める場合、KPIを設定し、それを達成したかどうかで成果を判断することが多いと思います
しかし、それだけでは活動の成果が見れない場合があります
KPIを達成しているかどうかを見る前に、KPIのトレンド(傾向)を見ることが重要です
改善活動の評価をするときの問題点
現場改善の活動を成果を確認するとき、下記のような表で成果を報告される場合があります
各KPIを当月達成したかどうかを見るには、役には立つのですが、この表で評価するには、いくつかの問題があると考えています。
一言でいえば、「改善活動がうまくいっているかどうかわからない」ということです
確かにKPIの目標を達成していないのだから、「うまくいっていない」と言ってしまえばそれまでです
しかしそれだけで、「活動を判断していいのか?」私はこれに疑問を持っています
例えば、上の表言えば「品質ロスコスト」
目標は達成していませんので「×」評価ですが昨年より良くなっています
この場合はどう評価すればよいでしょう
ある程度、成果を上げていると判断してもいいのではないでしょうか
(時間の尺度の配慮は必要ですが)
しかし、問題もあります
前年が年間平均になっていることです
このタイプのKPIを見るとき需要なのが
「評価のサイクル」です
年次で見るのか、4半期ベースか、月次か、週次か、それとも毎日
各KPIにより、どの期間で評価するのかは非常に重要です
この表でいうと、昨年の年次と当月の結果比較をすることが果たして適切か?
ということが問題になります
ですので、よくなってきているか評価することはできません
もう一つ上げるなら「生産性」の項目
結果は昨年より良くなっていますが、先ほどの理由で、評価できません
しかし、目標は達成しています
しかし、目標値が昨年年間実績より悪くなっています
これで「〇」と評価していいでしょうか
理由の一つに、昨年の同じ月の結果が悪く、それを基準に今年の目標を設定したりするとこうなります
ほかにも問題点たくさんありますが、この辺にしておきます
グラフでトレンド見る
これらの問題を解決にはグラフを使って、しっかりトレンドを見ることをお勧めします
例えばこのグラフ
工程のロスタイムを週次でグラフにしたものです
12月ごろ、部品問題(Delivery)でロスが多かったのが、減ってきているのがわかります
また、4月ごろから悪化の兆しが出てきているのがわかります
これを見て、再び悪くならないように、改善活動する必要があります
もう一つのポイントとして週次で見ていることです
製造現場での改善活動は、日々問題が発生しているので、月次での評価にそれほど意味を成しません
誰に報告してレビューするかによりますが、経営幹部には週次、現場課長には日々レビューする必要があると思います
先の表とこのグラフ、どっちが有益かは理解いただけると思います
パレート図の改良
品質不良を見る場合よくパレート図が使われます
こんなやつですね
有益な手法ですが、これも同様に「トレンドが見えない」問題があります
なので、こんな形にしてみてはいかがでしょう
主な不良を積み上げた棒グラフで毎月のトレンド見る方法です
これも、週次で見るべきか、月次で見るかは必要性で判断する必要があるでしょう
経営指標の場合
この考え方は経営指標(PL損益計算書、BS貸借対照表)の数字の評価にも使えます
例えば
これは、製造社員の人件費
残業、固定費用とか項目を積み上げ、棒グラフの生産額、販売額との比較をトレンド見ています
同じような生産額にも関わらず、費用が多くなっていたら要注意ですね
人件費に限らず、在庫、各種費用に応用できます
まとめ
皆さんいかがだったしょうか
KPIをトレンドで見ることの重要性
トレンド見ると、時には悪化することもあります
外部要因、アンコントーラブルなこともあります
それら含めて、少し長期でトレンドを見てください
参考になり、皆さんの改善活動がより良いものをになると嬉しいです
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