組織能力を向上させ、業績に結び付ける方法を記事にしています
その時に、通常のルーチン業務(標準作業)と業績を向上させるための新たな取り組み(=課題解決)を分けて業務を定義をすることを書きました
例えばこんな記事
この課題解決の中にも「低次学習と高次学習」二種類あります
少し考察してみたいと思います
標準作業と課題解決
まず簡単に標準作業と課題解決について説明します
通常のルーティン作業日常的に行うのを「標準作業」
問題を見つけ、課題を設定し改善を進めることを「課題解決」
課題解決により、この標準のレベルを上げることで組織能力が向上します
標準作業を回すことを「SDCA」 課題解決のことを「PDCA」と呼びます
図で書くとこんな感じ
標準作業を確実にすることは、会社としての価値を生むためには非常に重要なのですが、それだけでは業績は向上できない
やはり、課題を設定して取り組むことでレベルアップを図ることが重要ってわけです
課題解決に向けたアプローチ
この課題解決を進めるにおいて、環境に応じて方法は変わっていきます
その環境に応じて使い分けるのが「低次学習と高次学習」ということになります
◇低次学習
既存の枠組みの中で継続的な手段や方法の改善活動で、組織がゆっくりと成長している時の活動です
環境変化がある幅の中であれば効率的に環境適応できますが、変化が大きく構造的な場合、有効性が弱いと言われています
既存の枠の中で行われるのでシングルループ学習とも呼ばれています
◇高次学習
既存の枠組みを超え、組織全体を根本から改善していく活動で、従来の行動規範やフレームワークにとらわれず、全く新しい価値を生み出す活動です
現在のように、企業の変革が迫られている場合に求められ、組織が革新的に進化するために必要不可欠になります
ダブルループ学習とも呼ばれます
低次学習と高次学習の使い分け
先に述べたように「低次学習」は既存の枠組みの中での改善
「高次学習」は既存に枠にとらわれず革新的な価値を生み出す活動
ですので、一見、「高次学習が重要だ」みたいな思われるかもしれません
実際、会社幹部も低次学習的活動には興味が薄く、高次学習を重要視する傾向は確実になります
しかしながら、それは「チョット待ってやで~」って話です
低次活動あっての高次活動です
世界のトヨタの改善活動は明らかに「低次活動」です
だからと言って、重要では決して低いわけではなく、トヨタの競争力の源になっているのは間違いありません
冒頭に述べた「標準作業」も同じで、これは組織競争力を向上させ、新しい価値を生むこ業務ではありません
しかし企業がお客様に価値を安定的に提供するには非常に需要な業務であり、この標準作業を正しく行えない会社は必ずどこかで問題を起こします
品質の規格を守らずマスコミにも取り上げられた某メーカーとかありますが、その典型的な例です
つまり、「高次学習」で革新的な価値を生むためには、安定的に価値をお客様に提供するための日常の「標準作業」が必要
その標準のレベルを上げるためには「課題解決」そして「低次学習」が必要というわけです
「標準作業」「低次学習」あっての「高次学習」というわけです
結局は、それぞれの部門による役割の違いで、どれが重要か異なるわけです
標準作業をきっちり行う部門(部門だけでなく役職の場合もあります。例えば製造作業者)
「課題解決」「低次学習」を行う部門
そして、革新的な価値を生み出す部門
みたいな
私のような、海外工場部門のメインは「低次学習」が重要かなと思っています
開発部門(商品、工法、設備)は違いますけど
会社にもよりますが、現地法人では「高次学習」は少し難しいのが現状です
(日本で開発したものの展開が多いって意味)
まとめ
「標準作業」と「課題解決」に加え「低次学習」と「高次学習」について書きました
結局言いたかったのは、
「革新的なこと(高次学習)を行うにしても、足元がしっかりしてないと難しいですよ」
ってこと
皆、革新的なことこそ仕事をを思ってこればかりを言う人、多いですが、「現場はそんなもんじゃない」です
やっぱり役割明確にする必要あります
ちなみに、ベンチャーはちょいと違います
「標準作業」てない場合多いですから
その分リスク大きいです
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