工程品質不良を削減する「正しい設計」

ものづくり

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工程不良は工場において悩ましい問題の一つです

逆に言えば、工程不良を解決できれば生産性の向上、ロスコストの削減など経営的メリットも大きくなります

前の記事では。不良に対する対応を製造現場での話を主に書きましたが、今回は「正しい設計とは」を中心に書いてみます

2種類の工程不良を理解して工程品質を改善(1):突発的不良対策は変化点に注目
工場において工程不良は悩ましい問題の一つです。工程不良不良には2種類あります(1)突発的不良(2)慢性的不良。対策はそれぞれについて異なるアプローチが必要です。今回は(1)突発的不良について考えてみたいと思います
2種類の工程不良を理解して工程品質を改善(2):慢性不良対策は仮説と検証の繰り返し
工場において工程不良は悩ましい問題の一つです。工程不良不良には2種類あります(1)突発的不良(2)慢性的不良。対策はそれぞれについて異なるアプローチが必要です。今回はその2回目(2))慢性的不良について考えてみたいと思います

製造と開発部門が連携して「正しい設計」を行える体質を構築していきましょう

「正しい設計」とは

この記事で述べる工程不良削減の観点で言う「正しい設計」の定義は、

「図面通りに生産すれば必ず良品になる」

これに尽きるかと😁

ですので、言い方を変えれば製造部門は

「図面通り製造する」

ことが品質を確保するためのもっとも根本的な考え方となります

そして、開発者は

「図面通りに製造すれば必ず良品になる設計を行う」

ことを絶えず意識しましょう

という話になります

そして、図面通りに作っても不良品が出るときは

「工程能力がない」(Cpkが低い)

ということになり、その品質項目に対し「全数検査」という生産性を思いっきり下げる作業が追加になります😱

注)Cpkは一般に1.33以上と言われますが、かといって大きすぎるのも問題です

  余裕がありすぎて、不良を検出できなくなります

製造現場で・・

製造現場で発生する問題として、

「図面通りに作っても不良になる」

場合の対応として、

製造現場で調整してしまう」

ことがよくあります

例えば、

「公差の上限(下限)に近い部品だけ使う」

とか

「微妙に調整をおこなう」

ようなことをしてしまいます

例えば、良品にするために、部品の組み立てをあえて片側に偏るように治具を設定する

とか・・

10±0.1mmの寸法指定に対し、公差は+0.1mmとして、マイナス側はつかわない

とか・・

図面通りに作っても不良になるので、まじめな製造現場は良品になるように必死で「調整」を行います

それを完全に否定するつもりはないのですが、問題はそれを製造のノウハウとして一部の者にしか共有しないことがあることです

しかし、それではその知ってる人がいなくなると不良が増えることになります

ですので、このような場合は必ず

それを行わないと開発部門は正しくない設計ををしていることに気づきません

そして、次の製品開発の時に同じことをしてします

製造も、問題が発生した時、戻るべき基準がわからなくなります

多くの製造部門は製造はまじめですので悪気なく、必死で不良を減らす為に改善を行います

改善するのは良いのですが、「図面変更」の手続きをするようにしましょう

注)調整がすべて悪いわけではないです。世界のトヨタでも、組み立て後ドアとボディに少し段差が発生た場合、面が一致するように結構ちから技で面の一致させています

これは、いくら良品になると言っても、完全NGです

図面通りに作っていないから

速やかに、図面変更をしましょう

そして、このような体質が残る体質の工場は品質だけでなく安全含めて問題を発生させやすいのではないかと思います

開発現場で・・

開発部門が、本当に私が定義する「正しい設計」をしていれば工程は楽ですね

とはいっても、そうはいかないのが設計者の気持ちです

それほど多くないサンプルの評価を行い、「規格に入っていればOK」みたいな判断してしまいます

そこに製造作業のバラツキ、部品のバラツキ、検査のバラツキ等のバラツキの考えることが必要が重要です

私も開発部門で仕事をしていた頃、どこまでバラツキを考えていたかと言われるとそれほど自信がありません

ただ、バラツキを抑えるもしくは許容するために、

「ロバスト性」というものを常意識して、いろんな外部の変化や不確実性による性能や寸法への影響を考える習慣は必ず持ってほしいです

(参考)「ロバスト性」とは、システムやモデルが外部の変化や不確実性に対してどれだけ強固であるか、または堅牢であるかを示す特性

   具体的には、ロバストなシステムは、環境の変化や予期しない状況に対しても安定して機能し続ける能力を持っています(By Chat GDP)

結局このロバスト性が低い商品を設計してしまうと、

をかけることになります

具体的には、

・高い寸法精度を要求される

・選別をする

・製造条件の制限が厳しい  等

私も若いころにバラツキの大きい設計をして、上司から

「お前は自分の未熟さを製造に押し付けるんやな」😫

と言われたことが今でもしっかり記憶に残っています

少し精神論的になっていますが、まずバラツキの少ない「正しい設計」

図面通りに作れば不良は出ない設計をしてもらいたいです

まとめ

「正しい設計」について書いてみました

量産開始時点で、完璧な「正しい設計」ができればいいのですがそうもいかない時はどうしてもあります

そういう時でも、製造部門、開発部門が常に連携して量産後の「正しい設計」になる努力を継続してほしいです

製造現場で不良を減らす活動で図面と異なる変更したら、速やかに開発部門にフィードバックして図面を修正して「正しい設計」にしてほしいですし、

開発部門は常に製造不良の状況を確認し、そのバラツキを許容できる設計にする努力をしていきましょう

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