課題を解決することによって戦略を実行に移し、オペレーション力=現場力を高め会社の成長に繋がります
言葉を変えれば、会社の成長は「課題解決の積み重ね」とさえ思います
課題を設定する手段として、「上位方針を展開する」方法と「発生した問題から設定する」方法があります
今回は、上位方針の展開について
課題の設定の方法
課題の設定には2つあります
設定型と発生型です
発生型は現場で起きている問題を解決するための課題解決です
設定型はあるべき姿目指して、現状とのギャップを問題と捉え解決していく方法です
図で書くと下の様になります
発生型は、どちらかというと「基準や標準を保つ能力」と言え、設定型は「改善し続ける能力」に依存すると言っていいでしょう
設定型の課題を設定する場合、あるべき姿を目指すことになります
このあるべき姿がを考えるベースとなることの一つが経営者もしくは上位者の方針になります
あるべき姿を考えるときの元になるものが「経営者の方針」
方針設定
普通はどの会社にも、職場にもトップ・経営者の方針があります
もし、その方針を明確にしていないト経営者はすぐに方針を作り、従業員が何に向かって仕事をすすめるべきかを明確にしましょう
同時にビジョンと一緒に伝えなければなりません
例えば
ビジョン:◯◯事業をグローバルに展開し、お客様の生活を豊かにするために◯◯の分野で貢献する
方針:今年度は、東南アジア事業を中心に拡大を図る。理由は・・・・・
ちょいとシンプルですがこんなイメージ
この方針を明確にしないと、従業員たちは何向かって市場の成長を目指すかがわかりません
営業は、北米市場に積極マーケティングを行い、
開発は中国向けの新商品を開発する
みたいなことが、起こり得ます
例は多少極端ですが、大なり小なり発生します
経営資源(ヒト・モノ・カネ)は限りがあります
経営資源を有効に使うためにも、経営者の方針は重要です
方針展開
この経営者の方針から出る経営目標を自分の部門の目標値=あるべき姿に置き換えます
その「あるべき姿」と現状ののギャップを埋めるための活動、チャレンジを「課題」と呼びます
そして、課題を解決するための方策を明確に活動していくことになります
これを、「方針展開」と呼んでいます
方針⇛経営目標⇛課題設定⇛課題解決のための方策
課題を設定し、解決のための方策の推進を管理するのを重点管理として、日常管理と分けてマネジメントします
日常管理は標準化されたルーティンワーク、マニュアル仕事として現場にて粛々と行います
経営目標
方針が明確になれば、経営目標を立てます
売上〇〇億円 利益〇〇億円
経営目標の中身は2つあり、
・現状の延長線上での目標
・方針達成により上積みする目標
図に書くと下のようになります
現状の延長でできる目標は日常管理の中で行います
図の現状の延長でできる目標が現状より低くなっている点も重要です
多くの場合、従来の延長では、環境が変化するので、現状維持ができないという意味です
そして、上積みするための活動が課題解決になります
課題設定
方針と経営目標を実現するための課題(チャレンジ)を設定します
通常方針達成するには現状の延長では実現しません
「現状の延長」という方針もないことはないですが、それだけだったら会社の縮小を覚悟するのと同意です
「方針=目指すべきもの」と「現状」にはギャップが有り
そのギャップを問題と呼び、それを解決することを「課題」と呼びます
先の例、アジアでの販売を拡大する方針に対し、下記のような課題設定をします
・アジアの販売拡大に有効な販売チャネル開発を行う
(販売チャネルが弱いことが問題だから)
・アジア向け新商品をラインナップとして発売する
(商品が少ないことが問題だから)
・商品供給工場の能力を拡大
(供給拠点の生産能力が不足だから)
当然これらの課題には、納期とKPIはセットです
さらに課題には2種類あります
・業績向上課題
・体質改善課題
業績向上課題は先の例で示したような課題
体質改善課題は、方針実現に向け会社のファンダメンタルとし、弱いところの強化メインになります
「仕事の質」「仕事のコスト(効率)」「仕事のスピード」の向上を目指します
例えば
・販売プロモーションと連動したPSI計画の作成=質の向上
(PSI計画が適切でないため、販売プロモーションのとき在庫不足が起きる問題が多発。販売強化のため更にこの問題が拡大するリスクあり)
・開発期間短縮(新商品展開するのに時間不足)=スピードの向上
・部材・仕掛り在庫の削減
(生産増になるとスペース不足が問題)=コストの向上
・生産現場の生産性向上=コストの向上
課題設定のイメージ理解してもらえるとうれしいですね
課題解決のための重点方策
課題を設定したら、次に課題解決のための方策を考えます
重点課題:アジア向け新商品をラインナップとして発売する
重点方策:Aカテゴリー、Bカテゴリー、Cカテゴリーの商品展開で販売拡大
より具体的に展開していきます
そして
この重点方策が下位部門にとっての重点課題になっていきます
開発部門の課題設定として
重点課題:Aカテゴリー、Bカテゴリー、Cカテゴリーの商品展開
重点方策:人員シフトによるアジア向け商品の重点開発
調達部門は
重点課題:Aカテゴリー、Bカテゴリー、Cカテゴリーの商品展開
重点方策:新商品用部材の新規調達先開拓
このように、TOP方針から、下位部門への課題を明確にしながら
方針を展開していくことになります
レビュー
課題を明確にし、方策を実行したら、定期的なレビューをしましょう
PDCAのCheckそしてActionの部分ですね
このフォローを放置している現場をよく見ます
「計画はええけど、それ実行してるの?」
「誰かフォローしてる?」
毎年、時間をかけて、幹部報告用の「立派な事業計画や方針書を作って、追っかけるのは数字だけ」みたいな会社・部門ありませんか?
経営数字も当然大切ですが、それを実現するための課題解決の活動を本当に実行したかをフォローすることの方がより大切です
定期的でなくても、チェックの結果、アクション(プランの変更)が必要ならすぐにレビューしましょう
〇目標未達成の場合
・原因の明確化
方策自体が良くなかった
時間、経営資源が不足
能力不足
・新たな方策の設定、修正
〇目標達成の場合
目標達成の場合でもしっかりレビューしましょう
・目標達成できた理由
効果的な方策はどれか
・うまくいかなかった方策の原因
・さらに、高い目標への展開は可能か
等
まとめ
課題を設定するときの、方針展開の流れを説明しました
方針⇛経営目標⇛課題設定⇛課題解決のための方策
さらに
下位部門が上位の方策を自部門の課題と捉え、具体的方策を立案・実施
この、流れを従業員全員が理解し、同じ目標に向かって仕事をする
そうすることで、経営資源のロスを無くし、モチベーションも上がっていくはずです
なんとなく、周りに受けがよさそうな仕事を設定し、一見よさそうに見えても、方針から外れた仕事なら経営への貢献は???です
経営のどれだけ貢献できているか、しっかり考えてみましょう
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